2012年2月16日木曜日

失われた呑み屋を求めて


なんとなくアレだったんで、年間ベスト、ちょっと置いといて駄話をちらりと。

え~、みなさんご存知のことかと思いますが、12月のあたまより、私、ダイエットというものをやっておりまして、減量中でございます。方法としましては、とにかくいままでやっていた部類の暴飲暴食を控える(みなさんのお目汚しとなるためここでは控えさせていただきたい部類の暴飲暴食でございます)、とにかく歩く、夕飯は炭水化物抜きor少量、野菜をムシャムシャ食べる、腹8分目を心がける、ラーメンなどの外食は基本御法度、ビールは飲んでもはじめの1杯、そもそも基本的に酒を控える……などなど、まぁ、ユルユルのダイエット法度を自分内議会に届けまして、即可決、即施行という具合にユルユルと続けております。
おかげさまで現在は111キロもあった体重が102キロをいったり来たりという感じで実に10キロ近くも体重が減りまして、夢の100キロ切りもあと少しかなという感じでございます。おそらく年末年始という特殊な暴飲時期を挟まなければ1月以内には達成できてたとは思うんですが……そこはまぁ、精神の弱い、弱い私でございますから、そのくらいの“抜き”がないと2ヶ月半という長い期間、ほぼ毎日6キロ歩き続けるなんてことはできなかったと思います。そう、さきほどから良くでてきますが、“基本”と“ほぼ”というこの2つのマジックワードを使いまして、抜け穴がある位でないとダメなんですよ。私のようなボンクラは。
さて、ここで書きたかったのは別にそういう話ではなくて、とにかく歩くということの面白さでありましょうか。そこで気づいたことがひとつかふたつ。

街の記憶の話。
歩いていると、街の記憶にフラフラに酔わされるって話です。
私の住んでる住宅街、わりと、ぽつんぽつんと商店街の末端やメインストリートから曲がって一本はいったあたりに、最近ではかなり少なくなりましたが、私が子供の時分まで小さな呑み屋や商店なんかがたくさんございました。ひね鳥みてぇなババア、いや失礼、おかみさんがやっているカウンターだけ、もしくはちょっとした小上がりか、テーブル席が1つか2つあるような小料理とスナックの間のような店がたくさんございました。ヴェルヴェット・ヘヴン=ベッチン天国こと、スナックも。呑み屋ばかりじゃございません、小さなそば屋や定食屋、中華屋、クリーニング屋や豆腐屋、あとはいわゆるちょっとした乾物やお菓子なんかをやってた小商いの店がたくさんございました。そういった店も、80年代から90年代の、バブルがはじけてしばらく経つ間にはなくなり、現存で営業を続ける店はいくつか残っているノミになりました。
大抵、営業終了から10数年経っていれば、すでに世帯主の代、家主も変わり、建て変わり跡形もない場所がほとんでございますが、稀に、営業中の面影が残っている場所がございます。歩いていますと、これがまた自転車などとは違った時間軸で街を見ているので良くこういった建物に気がつくんでございます。そういうところにひどくノスタルジーを抱え込み、なんとも言えない気持ちになることもしばしば。
店舗跡として、シャッターがしまり、そのまま物置となっていそうなところは、まぁ、よくありますが、そういったものはさして琴線に触れることはないんです。特に、グっとくる建物の特徴というのがございます。具体的に“クる”建物というのは、まず第一に窓や入り口の作りに注目なんですね。ぱっと見は普通の住居、しかしながら正面には、その家屋の大きさや住居には似つかわしくない、大きな引き戸。はっと思って、見上げると2階屋には錆び付いた「沢の鶴 小料理 小春」なんて書いてあった日にはぐっときてしまいます。もう文字が消えた入り口上のビニールのテントも味わい深い。あとね、看板なんてもうないような建物も注意なんです。入り口なんかも住居用にしっかり改装されてるのに、通りに面した壁に、メニューの置かれていたであろうサンプルショーケースが張り出してあったりなんてことがあったら、もうそれは当たりでございます。突然民家の列に現れるスナック的な妙にモダン窓とかも。そういった店の開店時のにぎわいのや閉店時のエピソードに出てくる客の会話と顔、そしてママとの関係なんてのに思いを馳せるのがたまらないわけです。

まぁ、結局、呑み屋が好きだと。そういう話なんですけどね。
この気持ち、わっかるかなぁ。

2012年2月13日月曜日

PERSONAL BEST 2011 ALBUM part.2

ということで11位〜20位っす。
一応、ミクステ/フリー・ダウンロード系は外しましたです。ちなみにミックスCDはまた別で! ちなみに1位〜10位は前回のエントリーで。
これといって理由はないけどよく聴いてとかそういう感じです。まぁ、こちらは参考程度で!

11. 
STEFFI
『Yours & Mine』
(OSTGUT TON)



正統派ディープ・ハウス。

“Yours”



12. 
RICARDO VILLALOBOS & MAX LODERBAUER
『Re: Ecm』
(ECM)



幽霊の音楽。

 “Resvete”



13. 
SURGEON
『Breaking The Frame』

(DYNAMIC TENSION)



みんな大好きサージョン。

“Remover Of Darkness”



14.
 INNERSCIENCE
『Elegant Confections』
(PLAINMUSIC)



特にアンビエント・ヴァージョンがすばらしい。

“ELEGANT CONFECTIONS (disc2​/​Ambient ver​.​)” 
BANDCAMP視聴コチラ


15. 
PANDA BEAR
『Tomboy』
(CARPARK)



抜けたいときに。

“Tomboy”



16.
 AO INOUE
『Arrow』
(BEAT)



この作品はなんだかうれしい。〈PLANET μ〉あたりの作品とも共通する嗅覚。

30min Sampler "ARROW" and more on soundcloud
AO INOUE 30min Sampler "ARROW" and more


17.
 LUVRAW & BTB
『Hotel Pacifica』
(PAN PACIFIC PLAYA)



チューブDEメロウ。

LUVRAW & BTB 2ND ALBUM "HOTEL PACIFICA" CM



18. 
THE ROOTS
『Undun』
(DEF JAM)



とにかく音の録音クオリティがハンパない。

“Make My”




19. 
BOXCUTTER
『The Dissolve』
(PLANET μ)



絶妙にメロウ。LUVRAW & BTBあたりと同じ気分で聴くのも良いかも。

“Zabriskie Disco”



20. 
 TYLER THE CREATOR
『Goblin』
(XL)



これはね。やっぱり2011だとね。

“Yonkers”




 2011年、ベスト・コンピ/ミックスCD、ベスト・リイシュー、ブックス編に続く。

PERSONAL BEST 2011 ALBUM

ということで、遅れに遅れてた2011年ベスト。どういうアーティストなのかとかは、ネット時代なので、諸処レコード屋のキャプションやら他でも見ていただいて。一応11位以下とかもYoutubeであれしたから多少聴いてみて下さい。気に入ったら、ジャケットとかタイトル押すとAmazonに飛ぶので買ってみて下さい(俺のお小遣いにもなります)。気がむいたらそれぞれの細かなレヴューをそのうちここで書こうと思ってます(いつになるか……)。続いてコンピ/リイシュー部門、本部門もやります。 NO NUKES!


01.
砂原良徳
『liminal』
(キューン)
 

いろいろ考えて、2011年というとコレになる。パッキリと鋭利に響く電子音。強大な力を持ったファンク。エロスもあると思う。年始から父が死に、目の前でとてつもない震災が起き、余震に怯え、放射能がまき散らされ、後半は特に悩んで葛藤した1年にあって、どうしてもトランシーなポップとか謳歌することが2011年にはあまりできなかった。少なくともそれが2011年を最も象徴する1枚にはならなかた。この国の危機意識のなかで作られたこの音が良く響いたかと。311以降のバラバラと崩れていくものと、まったく変わらないものとの景色の対比が異常なコントラストで示された2011年を刻印するアルバムとしてはっきりと頭の中でイメージが出来上がってしまった。そういえばCDジャーナルでインタヴューをやらせてもらったのだけど、その取材日が3月10日。地震報道を見ながらまとめた妙な黙示録めいたインタヴュー(CDジャーナルのWEBで、コチラ)も起因と言えば起因かもしれないけど。

砂原良徳“The First Step (Version Liminal)”from『Liminal』



02. 
坂本慎太郎
『幻とのつきあい方』
(zelone)


逃避するわけでも、熱くなるわけでもなく、世を歩くというか。現実的な存在感があるが幽霊のようで、妙な軽さと美しさを備えて絶妙な塩梅でもってこちらに迫ってくる。水木マンガというか墓場の鬼太郎のようなひょうひょうとした音。悲観することすら遠い距離感のある諦念が入り交じったドライなノスタルジーは、2011年後半にはしっくりと来た。

坂本慎太郎“君はそう決めた ( You Just Decided ) ”from『幻とのつきあい方』



03.
JAMES BLAKE
『James Blake』
(UNIVERSAL)


ライヴもすばらしかった。ある意味で歌という入り口を持ってしまったばっかりに、絶妙な言われ方をされているような気もする。特にロック方面ね。ライヴを観て思ったけど、自身の出自であるダブステップとかフィジカルな音楽への愛情はかなり深いと思うんだけど。

JAMES BLAKE“The Wilhelm Scream”from『James Blake』




04. 
ANDY STOTT
『Passed Me By / We Stay Together』
(MODERN LOVE)


セオ・パリッシュ・ミーツ・モノレイクというか、ニュールーツのサウンド・システムでデトロイト・ビートダウンを聴いてたいたと思ったら実はノイズの波動だったというか。ベース・ミュージックとしてのデトロイト・ビートダウンを拡大解釈したミニマル・ダブの極北。ゴゴゴゴゴ。鼻の奥まで震えます。

ANDY STOTT“Rorses ”from『Passed Me By / We Stay Together』 <



05. 
RICK WILHITE
『Analog Aquarium』
(STILL MUSIC)


3チェアーズからデトロイト・ディープ・ハウスの濃厚なる一発。流石! ディープ&ブラックネスがねっとりと絡み付く濃厚なサイケデリック絵巻。ようはファンカデリックのファーストだよな、コレ。ぼーっと聴いてるとアレだけど、集中してイヤフォンとかで聴くと、そりゃ、もうね。あなたの耳で小さな黒人がグルーヴする。三半規管に気をつけて! 

RICK WILHITE“Music Gonna Save The World Pt 2 ”from『Analog Aquarium』



06. 
PINCH & SHACKLETON
『Pinch & Shackleton』
(HONEST JON'S)


ピンチとシャックルトンが組んだ、まさにその通りの音なんだけど、やっぱりすごいよね。ど暗黒のずっぱまり系。もうダブステップとかそういうの関係ないですよね。ここまで来たらさ。  

PINCH & SHACKLETON“Selfish Greedy Life”from『Pinch & Shackleton』



07. 
リトルテンポ
『太陽の花嫁』
(Pヴァイン)


悲しみばかりの1年。何度もこの音には助けられたな。変わらない温かさ。  

リトルテンポ“モーレツマンボ”from『太陽の花嫁』


08. 
ZOMBY
『Dedication』
(4AD)


ポスト・ダブステップの4ADデビュー組。わりとテクノな感じで、なんかこの作品の微妙にメランコリックなところを聴くとブラック・ドッグを思い出す。音像がクリアなブリアルっつうか。盗作疑惑の例の曲はもろにブリアルだよね。  

ZOMBY“Alothea”from『Dedication』


09. 
MOOMIN
『The Story About You』
(SMALLVILLE)


レゲエ歌手……ではなく、ジャーマン・ディープ・ハウスのブライテスト・ホープ。新しさとかそういうものはあまりないかも知れないけど、シーンがソコに存在して、そこで生まれ、そこで育ち、そこで必要とされているリアルな音。そのなかで、高い品質のデビュー・アルバムをリリースしたの15年前だったのか2011年だったのかって話ですよ。〈SMALLVILLE〉らしい、やわらかなエレクトロニック・ディープ・ハウス。  

MOOMIN“Neither One”from『The Story About You』


09. 
KUEDO
『Severant』
(Planet μ)


今年もキレキレのリリースを行っていた〈プラネット・ミュー〉から、Vex'dの片割れによるインテリジェンス・テクノ/エレクトロなアルバム。ちなみにビートにはフライング・ロータス系のビートものやジュークの援用も。ゾンビーがブラック・ドッグならこっちはB12っぽいとか思ったけどやっぱり違うな。なにっぽいかな〜って、この前、キンタマかかきながら考えてたんだけど、アレだ。『ナイトライダー』っぽいつうか『ブレードランナー』感つうか、要は80SのSF映画のサントラっぽい感覚。この感覚は、なんだか2011年のリリースのそこかしこにあったような。遅れてきたコズミックというか。え、もうリヴァイヴァルのリヴァイヴァルなの? とはいえ、〈プラミュー〉と言えば、下に入れたボックスカッターのアルバムもなんかメロウファンクで良かったし、マシンドラムも復活しましたな。  

Kuedo“Ant City”from『Severant』


ベスト・アルバム11位〜20位、コンピ/DJミックス、リイシュー、ブックスに続く!